かんばせ)” の例文
今朝以来失態の連続でありまして、もはや、お合わせ申すかんばせもないのでございますが、仮面をつけ、低頭して御前に進み出たのでございます。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「——弟子の未熟はいうまでもなく師の未熟。覚明の犯した大殺だいさつとがは、申すまでもなくこの善信の犯せる罪に相違ないのです。……なんのかんばせあって、弥陀みだ本尊のまえに、私は安坐しておられましょう」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)