諸仆もろだお)” の例文
とうとう、二人は引っ組んで、四つになり、諸仆もろだおれになり、さんざん肉闘して、肝腎かんじんな錦の袍もために、ズタズタに引裂いてしまった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遮二無二しゃにむに、馬のしりへよじ登り、うしろから戴宗に組みついて、ふたたび大地へ諸仆もろだおれにころげ落ちた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いきなり、直義が胸いたへ突いて来た腕を取って、高氏の体も、諸仆もろだおれに、秋草の中に埋まった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが反撃を食ったらしい。とたんにそこの石段を、諸仆もろだおれに、ころころ転がりあっていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右馬介もまた、起ち損じて、それを受けつつどうっと、諸仆もろだおれに、ころがり合った。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
練貫ねりぬきつまを高くとった美貌な女役者が、半開きの扇を眉にかざしてにかかったとたんに、どうしたのか、上下、二百四十九けん(組)の桟敷さじきが、ごうぜんと凄い物音をたてて、諸仆もろだおれに
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「な、なにを仰せ遊ばす!」と三位卿は、夜具の上へ諸仆もろだおれになりながら
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして自分も諸仆もろだおれに腰をついて、一緒になって泣き出した。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)