読本どくほん)” の例文
旧字:讀本
私などが大阪で電気の事をしったと云うのは、ただわずかに和蘭の学校読本どくほんの中にチラホラ論じてあるより以上は知らなかった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しかし感服した事には教授の用語に一切英語を用ひ、小学の一年生がナシヨナル読本どくほん第二の程度の物を習つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
内へ帰ると早速、夕餉ゆうげすまし、一寸ちょいと着換きかへ、糸、犬、いかり、などを書いた、読本どくほんを一冊、草紙そうしのやうに引提ひっさげて、母様おっかさんに、帯の結目むすびめトンたたかれると、すぐ戸外おもてへ。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
五百は漢訳和訳の洋説を読んであきたらぬので、とうとう保にスペルリングを教えてもらい、ほどなくウィルソンの読本どくほんに移り、一年ばかり立つうちに、パアレエの『万国史』、カッケンボスの『米国史』
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)