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訊尋
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たづね
分取に致し
靱負は日々
遊興に
遣ひ候により所司代は
不審におもはれしにや日野家へ御
訊尋の儀有之に付我々兩人差出べき
旨掛合御座候間右の大金を
物語り此度の一件申
譯なくは我主家の爲自害致さんにより其時は汝等必ず
歎くべからずと
能々後のこと共申置勘解由は
發足なし道中取
急ぎて日ならず江戸小川町の上屋敷へ着し其旨
太守へ申ければ
丹後守殿早速御召有つて日野家の一件御
訊尋申に勘解由は委細を
貸くれと申すも餘り心なきことと存じ
斷り申候と云ひける時越前守殿其方は母の
病中に一度見舞に參りしと菊が申立しが夫に相違なきやと
訊尋られければお粂は少し
詞の
淀みしが私し方甚だ
無人にて私し店に居申さず候ては用向差支へ候ゆゑ
漸々一度見舞に參り候と申立るに越前守殿夫は
何時頃の事なりと云るればお粂は指を