シン)” の例文
「知らぬか、廷尉。——大義タイギシンメツス、とあるのを。異朝いちょうでもそれが新しい朱子しゅしの学として奉じられておる。遠い魏朝ぎちょうにあった故事ふるごとなどは早やカビ臭いわ。……いや、坊門どの」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「われらの任は、今や重い。窮するの極み、必ず、呂布はここを通るであろう。ここは淮南への正路、一だに洩らしてはならん。王法ニシンナシ——怠る者は、軍法に照らし必ず断罪に処すぞ」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)