親族みうち)” の例文
日は既に入りたる後もその呼ぶ詞はかはらざりき。母上はこのをぢを敬ひ給ふことさまでならざりき。あらず。親族みうちにかゝる人あるをば心のうちに恥ぢ給へり。
たやすく貴嬢がたなごころいだしたまわぬを見てかの君、早く受けたまわずやとさとすように物言いたもうは貴嬢きみが親しき親族みうちの君にてもおわすかと二郎かの時は思いしなるべし、ただわれ
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
またその蒼々あを/\としたおほきなうみ無事ぶじにわたりつて、をかからふりかへつてそのうみ沁々しみ/″\ながめる、あの氣持きもちつたら……あのときばかりは何時いつにかゐなくなつてゐる友達ともだち親族みうちもわすれて
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
わがドレスデンなる親族みうちたずねにゆきしは人々も知りたり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)