見限みかぎ)” の例文
抜けるような綺麗な頸足えりあしをして、ひやつくような素足をして、臆面もなく客へ見せて、「おや、近来ちかごろ見限みかぎりね」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
したがって詩とか哲学とかいう文字も、月の世界でなければ役に立たない夢のようなものとして、ほとんど一顧にあたいしないくらいに見限みかぎっていた。その上彼は理窟りくつ大嫌だいきらいであった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それでペリカンの方でもなかば余に愛想あいそを尽かし、余の方でも半ばペリカンを見限みかぎって、此正月「彼岸過迄ひがんすぎまで」を筆するときは又と時代退歩して、ペンとそうしてペンじくの旧弊な昔に逆戻りをした。
余と万年筆 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)