見得坊みえばう)” の例文
およそ成金に取つて何よりも不満足なのは、借金の無いといふ事で、彼等はそれがあつたら、大喜びで七倍にして払ふ事を心掛けてゐる見得坊みえばうである。
父親てゝおや医者いしやといふのは、頬骨ほゝぼねのとがつたひげへた、見得坊みえばう傲慢がうまん其癖そのくせでもぢや、勿論もちろん田舎ゐなかには苅入かりいれときよくいねはいると、それからわづらう、脂目やにめ赤目あかめ流行目はやりめおほいから
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)