裏小路うらこうじ)” の例文
かつ先生なんぞも裏小路うらこうじの小さな家にくすぶっておいでの時節ですからね、五千石の私どもに三人扶持ぶちはもったいないわけですが、しかし恥ずかしいお話ですが
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
大通りは一筋ひとすじだが、道に迷ふのも一興で、其処そこともなく、裏小路うらこうじへ紛れ込んで、低い土塀どべいからうり茄子なすはたけのぞかれる、さびれた邸町やしきまちを一人で通つて、まるつきり人に行合ゆきあはず。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)