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袖乞
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そでご
ふりがな文庫
“
袖乞
(
そでご
)” の例文
が、
何故
(
なぜ
)
か
敵
(
かたき
)
の
行方
(
ゆくえ
)
が
略
(
ほぼ
)
わかった事は、
一言
(
ひとこと
)
も甚太夫には話さなかった。甚太夫は
袖乞
(
そでご
)
いに出る合い間を見ては、求馬の看病にも心を尽した。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
太宰府
(
だざいふ
)
訪
(
もう
)
でし人帰りきての話に、かの女乞食に
肖
(
に
)
たるが
襤褸
(
ぼろ
)
着し、
力士
(
すもうとり
)
に伴いて鳥居のわきに
袖乞
(
そでご
)
いするを見しという。人々皆な思いあたる節なりといえり。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
が、その媚や微笑の底には、
袖乞
(
そでご
)
いのような
卑
(
いや
)
しさや、
狼
(
おおかみ
)
のような
貪慾
(
どんよく
)
さが隠されていた。此の若い男女が交しているような微笑とは、金剛石と木炭のように違っていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
あのひとはごほんごほん
咳
(
せき
)
をして、
袖乞
(
そでご
)
いをする。そして今日のように、どこかの壁へ頭をぶっつけ始める、子供らは泣く……やがてあのひとはたおれて警察へ運ばれる。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
病気でもあるのか寒さのためか、差出された手はひどくふるえてい、上半身を
跼
(
かが
)
めた躯も不安定に揺れていた。これでもう五たびか六たび、功兵衛が通りかかると
袖乞
(
そでご
)
いをするのであった。
醜聞
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
それは僕が卑劣なために言ったことなんだ……僕の母はほとんど自分で
袖乞
(
そでご
)
いしないばかりの有様なんだもの……僕はこの下宿に置いてもらって……食わしてもらいたさに、嘘を
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
身なりと全体の様子で、二人は彼を全くの
乞食
(
こじき
)
、街頭における本物の
袖乞
(
そでご
)
いと思い込んだらしい。大枚二十カペイカ奮発したのも、あの鞭が女に
惻隠
(
そくいん
)
の情を起こさせたからに違いない。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
袖
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
乞
常用漢字
中学
部首:⼄
3画
“袖乞”で始まる語句
袖乞非人