にし)” の例文
車夫二人に引かせて人力で藤沢へ行った結果、私は大きな淡水産のにし(Melnia)の美事な「種」を壺に一杯集めることが出来た。
そこへ向うからながらみ取りが二人ふたり、(ながらみと言うのはにしの一種である。)魚籃びくをぶらげて歩いて来た。彼等は二人とも赤褌あかふんどしをしめた、筋骨きんこつたくましい男だった。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この、気のめいるような食事の後で、私は助手を従えて、海岸と町の海堤とに添うて採集に行き、下僕二人は町の背後の丘へ、陸産のにしをさがしにつかわした。
ある場所で我々は絶壁の下で太陽が照りつけるのもかまわず、陸産のにしをさがす為に上陸し、そして短い間に、我々がそれ迄に採集したことのない新種を八つ見つけた。