蛟龍こうりょう)” の例文
新字:蛟竜
「飲むよりほかに為すことはないじゃないか。いかに脾肉ひにくを嘆じたところで、時利あらず、風雲招かず、蛟龍こうりょうも淵にひそんでいるしかない。どうだ、貴公も酒の淵に潜まんか」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蛟龍こうりょうつい雲雨うんうを得ましたな?」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「身をくっして、分を守り、天の時を待つ。——蛟龍こうりょうふちにひそむは昇らんがためである」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老龍——柳生谷の老龍——近ごろ誰となく宗厳むねとしのことを世人はそうよんでいる。深淵の潜龍せんりゅうという意味か、蛟龍こうりょうにひそむは伸びんがためというところか、とにかくそう称されている彼は
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蛟龍こうりょうが雲をえたように、それからここのあるじはおそろしく身の上が変ってくる
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蛟龍こうりょうも時を得ざれば空しくふちに潜むでな、みな木樵きこりをしたり、この山で、薬草採りなどして生計たつきをたてているが、時到れば、鉢の木の佐野源左衛門じゃないが、この山刀一腰ひとこしに、ぼろよろいまとっても
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけて、第十六鎮の部隊には、時を待っていた深淵しんえん蛟龍こうりょうがいた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)