虚喝きょかつ)” の例文
先ごろ上洛じょうらく後、天朝より仰せ下されたる御趣意のほどもこれありそうろうところ、表には勅命尊奉の姿にて、始終虚喝きょかつを事とし、言を左右によせて万端因循にうち過ぎ
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
昆虫の幼虫などには自分より強い敵に出遇うたときに虚喝きょかつをもってこれを追い退ける者がある。
自然界の虚偽 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
一個人の殺害さつがいせられたるために三十五万ドルの金額を要求するごとき不法ふほう沙汰さたいまだかつて聞かざるところなり、砲撃ほうげき云々うんぬんは全く虚喝きょかつぎざれば断じてその要求を拒絶きょぜつすべし
あるいは気の弱くいたずらに平和を望む男子は彼等の虚喝きょかつに威嚇されて雷同するかも知れぬけれども、かくの如き根底なき思想により、女子が許されて権力を得、放逸に活動するに於ては
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
その戦略せんりゃくさえ公言こうげんしてはばからざるは、以て虚喝きょかつに外ならざるを知るべし。