藩侯はんこう)” の例文
町役人から重ねて其次第をとゞけ出ると、藩侯はんこうすこぶる奇怪に思はれて、早速に堀のなかを詮議しろとの命令をくだされた。
梟娘の話 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
大分だいぶんのぼったところの「駕立場かごたてば」は藩侯はんこう登山の折の休憩所で、ここの眺望は雲仙の第一景として知られている。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
〔評〕幕府ばくふ南洲にわざはひせんと欲す。藩侯はんこう之をうれへ、南洲を大島おほしまざんす。南洲貶竄へんざんせらるゝこと前後數年なり、而て身益さかんに、氣益さかんに、讀書是より大に進むと云ふ。
こと藩侯はんこうもその不思議な娘をひそかに御覧になるかも知れないといふやうな内意をれ聞いてゐるので、町役人どもはうしても彼女かれを召連れて行かなければならないと思つたので
梟娘の話 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)