蔭身かげみ)” の例文
一人の立派なお武家様が、蔭身かげみに添ってあなた様を、お守りなさるでございましょうと、こうあの薬売りの男が云った。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今日は御葬り下され御回向ゑかうあづかりしことの有難く御かげにて未來みらいを助かりますによりはゞかりながら是より其報恩はうおんに御前樣の蔭身かげみに添て何卒御立身出世りつしんしゆつせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「おお、おれは法月弦之丞様に頼まれて、お千絵様の蔭身かげみに添う万吉という者だ」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
決して恐怖おそれなさいますな、救いの前には艱難かんなんがあり、安心の前には恐怖があるもので! さあさあお出かけなさいませ! 一人の立派なお武家様が、蔭身かげみに添ってあなた様を
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お疑いでございましょうが、実は、或るお方のいいつけで、郡内ぐんないの手前からあなた様を蔭身かげみになって守って来たので、まあとにかく、ここまでは御無事で、ほんとによいあんばいでございましたよ
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)