落延おちの)” の例文
源「これは槍で突かれました、手強てづよい奴と思いのほかなアにわけはなかった、しか此処こゝ何時迄いつまでこうしてはられないから、両人ふたりで一緒に何処いずくへなりとも落延おちのびようから、早く支度をしな」
ところで犯人も到底とうていしれずにはいまいと考え、ほとぼりのさめた頃京都市を脱出ぬけだして、大津おおつまで来た時何か変な事があったが、それをこらえて土山宿つちやまじゅくまでようや落延おちのび、同所の大野家おおのやと云う旅宿屋やどやへ泊ると
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)