“花櫚”の読み方と例文
読み方割合
かりん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その周囲一面に葡萄ぶどう栗鼠りすの模様を彫れということで御座いました。右の材料は花櫚かりんで、随分これは堅くて彫りにくい木であります。
一階大広間の九尺床は目の覚めるような紅花櫚かりんの一枚板、左右一丈二尺余の大柱は世にも珍しい鉄刀木の尺角、上から下まで精密な山水の総彫、多分は堀田瑞松あたりの仕事であろう。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
左右のわき床は紫檀黒檀の棚板、三方の大障子は花櫚かりんの亀甲組白絹張りで、開閉にも重いくらいの頑丈造り、一間幅の回り縁はけやきの厚板、天井は三尺角樟の格天井、いや全くお話ですぞ。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)