舞込まいこ)” の例文
何処どこにドウなったか、二重に金を払たことがある。亜米利加アメリカ人が取るけはない、何処どこかに舞込まいこんで仕舞しまうたにちがいない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
慕って一羽の名も知れぬ怪鳥が舞込まいこんで来ました。当時此処ここに田口という若い看守がいましたが、この男が怪鳥をみつけて拳銃ピストルで射殺し、剥製にして壁へ飾付けたのです
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
みし/\と段階子だんばしごあがつて来るのが、底の知れない天井の下を、穴倉あなぐらから迫上せりあがつて来るやうで、ぱつぱつと呼吸いきを吹くさまに、十能の火が真赤な脈を打つた……ひややかな風が舞込まいこむので。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)