トップ
>
自前
>
じまえ
ふりがな文庫
“
自前
(
じまえ
)” の例文
盆暮
(
ぼんく
)
れには母子そろって挨拶にくるのを欠かさない——いまは息子の孫七があとをとって、
自前
(
じまえ
)
の田畑を耕し、ささやかながら老母を養っている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「線香は、よそにつけとるとでしょう。それとも、
自前
(
じまえ
)
みたよなもんじゃけ、検番を通さんで、来たのかも知れんですわ。裾を引かんで、普段着で来とるようじゃけん」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
パリの
町中
(
まちなか
)
を
散歩
(
さんぽ
)
したりかけ歩いたりするついでに、ぐうぜん
覚
(
おぼ
)
えるだけではなかった。このお父さんはいよいよ
自前
(
じまえ
)
で植木屋を開業するまえに植物園の畑で
働
(
はたら
)
いていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
二人してあすこへ落着きましょうよ、そうして、わたしは
自前
(
じまえ
)
で
暢気
(
のんき
)
にこの商売をしますから、あなた兄さんになって頂戴——これだけ
資本
(
もとで
)
があれば、立派に自前で通して
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それにしても、えらいよ。
年
(
ねん
)
があけたら少し
自前
(
じまえ
)
で稼いで、残せるだけ残すんだね。」
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
そして今じゃあ、言わば
自前
(
じまえ
)
になったって訳さ。己はイングランドの時には九百ポンド
貯
(
た
)
め、フリントのところでは二千ポンド貯めた。これぁ平水夫にしちゃあ悪かあねえだろ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「いいえ、そうじゃございません、
自前
(
じまえ
)
でございます」
顎十郎捕物帳:19 両国の大鯨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
金に窮してのうえではないので、
自前
(
じまえ
)
でもよいのだが、身分を隠すため、わざと、借金をした。新之助も、君香も、「よい
妓
(
こ
)
が来てくれた」といって、すこぶる、よろこんだ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
新しく
自前
(
じまえ
)
になれたら、何とつけましょうねえ、そうそう、『
宇津
(
うつ
)
の
家
(
や
)
』とつけましょう、それがいいわ、宇津と御本名をそのままいただいては恐れが多いから、かなでねえ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いいえ、清月さんの抱えではありません、これでも
新前
(
しんまえ
)
の
自前
(
じまえ
)
なのよ」
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“自前”で始まる語句
自前芸妓