膝枕ひざまくら)” の例文
もっと白姥しろうばの家に三晩みばん寝ました。その内も、娘は外へ出ては帰って来て、膝枕ひざまくらをさせて、始終たかって来る馬蠅うまばえを、払ってくれたのを、現にくるしみながら覚えています。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
順吉には母親に膝枕ひざまくらをして耳の掃除をしてもらった遠い記憶がある。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
これだけ藝達者が揃ふと、小唄や爪彈つまびきや、ほろ醉ひや膝枕ひざまくらの情緒を樂しむ、しんねこ趣味の船はむしろ邪魔つ氣で、白髯まで伸して、川幅一パイに騷ぐのもまた一つの馬鹿々々しい境地だつたのです。
いとしがられしが八幡鐘はちまんがね現今いまのように合乗り膝枕ひざまくら
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
「さ、ひざを、膝枕ひざまくらをなさい、だれません。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「——膝枕ひざまくらをなさい。——衣絵きぬゑさん。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)