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脂臭
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あぶらくさ
ふりがな文庫
“
脂臭
(
あぶらくさ
)” の例文
ある冬の日の暮、
保吉
(
やすきち
)
は
薄汚
(
うすぎたな
)
いレストランの二階に
脂臭
(
あぶらくさ
)
い焼パンを
齧
(
かじ
)
っていた。彼のテエブルの前にあるのは
亀裂
(
ひび
)
の入った
白壁
(
しらかべ
)
だった。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夜鷹
(
よたか
)
か何かの一番丈夫で
脂臭
(
あぶらくさ
)
くて、ブヨブヨしたのを拾って来たんだろうという噂ですが、近頃その小汚いのに嫌気がさしたようで、出すとか出るとかブスブス
燻
(
くすぶ
)
っているそうです。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし古着屋の店を眺め、
脂臭
(
あぶらくさ
)
い焼パンをかじり、「ホット(あたたかい)サンドウィッチ」を見ると、「妻よ妻よ恋し」と云う言葉はおのずから
唇
(
くちびる
)
に
上
(
のぼ
)
って来るのだった。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夜鷹
(
よたか
)
か何んかの一番丈夫で
脂臭
(
あぶらくさ
)
くて、ブヨブヨしたのを拾つて來たんだらうといふ噂ですが、近頃その小汚いのに嫌氣がさしたやうで、出すとか出るとかブスブス
燻
(
くすぶ
)
つてゐるさうです。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
行つて見ると、やはり机の側に
置炬燵
(
おきごたつ
)
を据ゑて、「カラマゾフ兄弟」か何か読んでゐた。あたれと云ふから、我々もその置炬燵へはいつたら、掛蒲団の
脂臭
(
あぶらくさ
)
い
匂
(
にほひ
)
が、火臭い匂と一しよに鼻を打つた。
あの頃の自分の事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
脂
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
臭
常用漢字
中学
部首:⾃
9画
“脂”で始まる語句
脂
脂肪
脂下
脂汗
脂粉
脂切
脂肉
脂身
脂気
脂燭