肩上かたあげ)” の例文
其時いもとくにの高等女学校を卒業したばかりで、としたしか十八とか云ふはなしであつたが、派出な半襟をけて、肩上かたあげをしてゐた。さうして程なくある女学校へかよはじめた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
羽子はごよ毬よみな母君にかくされて肩上かたあげあとの針目はりめさびしき
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
津田はつねに疑った。——この人が通常の着物を着る時に、まだ肩上かたあげを付けているだろうか、またはっているだろうか。彼はいつか真面目まじめにこんな質問を彼女にかけて見た事があった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)