肝入きもいり)” の例文
梅原頼母たのもは五百三十石の寄合よりあい肝入きもいりで、小池帯刀の上役に当るが、隼人の口上にはいちおう反対し、こちらは待ってもよいと云った。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
口惜くやしいのは、お嬢さんに団扇うちわあおがせた時がと言うと、あの鴨川めが肝入きもいりで、山河内の娘に見合をさせるのに、先生を呼んだ日だと謂いますわ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なぜなら松本知事の肝入きもいりで、吾々を囲む内鮮人の座談会が道庁で催されることになっていたからである。話題はもとより朝鮮の生活と作物とについてである。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
仁右衛門も知っての通り——今日はまた——内の婆々殿が肝入きもいりで、坊様をめたでの、……御本家からこうやって夜具を背負しょって、わしが出向くのは二度目だがな。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)