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にくたい
ふりがな文庫
“
肉躰
(
にくたい
)” の例文
そうなれば
斯業
(
しぎょう
)
経営についての犬馬の労は云うまでもなく、自分はこの
肉躰
(
にくたい
)
も精神もあげて貴女のために忠誠をつくすでありましょう
陽気な客
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その苦しさは
肉躰
(
にくたい
)
的なもので、まず嘔きけが
起
(
お
)
こり、ついで胸を
搾木
(
しめぎ
)
にかけられるか、ひき裂かれでもするような気持になる。
寒橋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
年はもう三十五になるが、
肉躰
(
にくたい
)
的な快楽以外にはなんの関心もなく、精神的には十五、六歳のまま成長が
停
(
とま
)
っているようだ。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
肉躰
(
にくたい
)
も精神もすっかり
麻痺
(
まひ
)
して、自分がいまなにをしているかも、どうしてそんな
処
(
ところ
)
に立っているかもわからなかった。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
青年A (胸を
叩
(
たた
)
き両手を高くあげて絶叫する)おれのこの
肉躰
(
にくたい
)
を見ろ、おれはきさまたちより美しく健康だ、おれはきさまたちの三人まえ
喰
(
た
)
べ、十人まえ働く
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
躯に娘らしいまるみがあらわれるにつれ、自分の
肉躰
(
にくたい
)
が汚辱され
穢
(
けが
)
され、腐ってゆく
革袋
(
かわぶくろ
)
のように思えた。そして男がうらやましく、男に生れてこなかった自分を憎悪した。
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
栄二は板の間へぶっ倒れたまま、躯じゅうの痛み、特に脇腹の痛みで
呻
(
うな
)
っていた。云うまでもなく、そういう
肉躰
(
にくたい
)
的な痛さよりも、なにより耐えがたいのは心の痛手であった。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
都留はそのとき
膝
(
ひざ
)
の上に重ねていた手をぎゅっと
拳
(
こぶし
)
に握りしめた。心でなにか思うよりさきに
肉躰
(
にくたい
)
が反応を示したのである。都留はけんめいに自分を抑えながら惣兵衛の顔を見あげた。
晩秋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私の
眼
(
め
)
の焦点は自動的に拡大し、対象物とのあいだに一種の保護膜を張ったのであるが、それでもなお彼女たちの
逞
(
たくま
)
しい
肉躰
(
にくたい
)
、特に第二次性徴と呼ばれる部分のよく発達した、魅惑的な
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
肉躰
(
にくたい
)
は消耗しつくしたため、生前のおもかげはなくなっているのであろうが、
眼窩
(
がんか
)
も頬も顎も、きれいに肉をそぎ取ったように落ち窪み、紫斑のあらわれた土色の、乾いた皺だらけの皮膚が
赤ひげ診療譚:02 駈込み訴え
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
肉躰
(
にくたい
)
的にも精神的にも、余すところなく映画の中へ溶け込んでいた。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
肉躰
(
にくたい
)
的にも精神的にも、余すところなく映画の中へ溶け込んでいた。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は殆んど
肉躰
(
にくたい
)
にまで感じはじめた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
肉
常用漢字
小2
部首:⾁
6画
躰
部首:⾝
12画
“肉躰”で始まる語句
肉躰上