トップ
>
聞馴
>
ききな
ふりがな文庫
“
聞馴
(
ききな
)” の例文
もっとも、小松原とも
立二
(
りゅうじ
)
とも、我が姓、我が
名
(
めい
)
を呼ばれたのでもなければ、
聞馴
(
ききな
)
れた声で、
貴郎
(
あなた
)
、と言われた次第でもない。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かと思うとやがて
耳許
(
みみもと
)
に
聞馴
(
ききな
)
れた声がして、
頻
(
しきり
)
と自分を呼びながら
身体
(
からだ
)
を
揺動
(
ゆりうご
)
かすものがある。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「ええ、
俺
(
おら
)
が事か。兄さん、とけつかったな。
聞馴
(
ききな
)
れねえ口を利きやあがる。
幾干
(
いくら
)
で泊める。こう、旅籠は幾干だ。」
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
処へ、土地ところには
聞馴
(
ききな
)
れぬ、すずしい澄んだ
女子
(
おなご
)
の声が、男に交って、崖上の
岨道
(
そばみち
)
から、
巌角
(
いわかど
)
を、踏んず、
縋
(
すが
)
りつ、
桂井
(
かつらい
)
とかいてあるでしゅ、
印半纏
(
しるしばんてん
)
。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうした折よ、もう時雨の頃から、その一二年は約束のように、井戸の響、板の間の跫音、人なき二階の襖の開くのを
聞馴
(
ききな
)
れたが、
婦
(
おんな
)
の姿は、当時また
多日
(
しばらく
)
の
間
(
あいだ
)
見えなかった。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
一
(
ひと
)
ツ人の
聞馴
(
ききな
)
れない、不思議な
言語
(
ことば
)
があつたんです。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
聞
常用漢字
小2
部首:⽿
14画
馴
漢検準1級
部首:⾺
13画
“聞馴”で始まる語句
聞馴染