義姉ねえ)” の例文
「——義姉ねえさんに遠慮することなんかありやしない、そのうち、兄さんと相談してあんたの身の立つやうにしたげるわ、きつと」
一の酉 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
「ええ、お友達のお義姉ねえさまに赤ちゃんが生れたのよ、それでお祝いを持って行かなくちゃならないの、夕方までには帰るわ」
殺生谷の鬼火 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「や、はんのおじいさんですか。退屈よりも、義兄にいさんや義姉ねえさんに、余りよくしていただくので、なんともはや相すまなくて」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お義姉ねえさまは、全然お子様達の勉強に、無関心でいらっしゃるの、それとも何かにつけて、干渉なさるのですの。」
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「こんな淋しいところに辛抱してゐられて? 感心ね。お家ぢや、あたしとあなたとがゐなくつて廣々したと、兄さんや義姉ねえさんは思つてるに違ひないのよ。」
新婚旅行 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
あなたは義姉ねえさんの志をついで、あの先生に再び日の目を見せて上げたい、それが死んだ義姉さんへの供養くようと思っておいでになる志はよくわかりますけれども、それをする時には
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あの祭日の行事中、特にお嬢さまが御出席のヤミヨセには信者以外の者は列席を許されないときつい定めがございますが、お義姉ねえ様の特別のはからいで列席を許されなすったのでしょうか
発動機エンジンなんて先から持ってるのに、お兄様もお義姉ねえ様も……マリーヤだって、エーディトだってみんなでそんなバカなことばかり言ってるから、だから僕みんな頭どうかしてるんだって
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
義姉ねえさんはきれいなひとだっただろう」
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
どうかしらん?……兄さんが、義姉ねえさんを
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「え。義姉ねえさん、そこらに見えませんでしたか。じゃあ二階の寝室でしょう。ずいぶんおくたびれなすったろうから」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ねえ。お兄さま、お義姉ねえさまにも、今ついでに会って頂いた方がいいでしょう?」と、兄の承諾を求めた。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「——怒つてるんぢやないのよ、ほめたげる、と云つてはをかしいけど、まア、私の云ふ気持も解るだらう、義姉ねえさんは少し増長してるから、うんと痛めつけてやりたいのよ、——ねえ」
一の酉 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
「お雪ちゃん、これが、あなたの義姉ねえさんから貰った刀です」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「その時義姉ねえさんは、いくつだった?」
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
義姉ねえさん」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「いや兄貴。自分のことじゃあないんだ。じつは兄貴の女房——義姉ねえさんのことにつきましてね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちらりと義姉ねえさんの姿が浮びました。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)