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綽々
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しやく/\
ふりがな文庫
“
綽々
(
しやく/\
)” の例文
世に知られず人に重んぜられざるも胸中に万里の風月を蓄へ、
綽々
(
しやく/\
)
余生を養ふ、この老侠骨に会はんとする我が得意は、いかばかりなりしぞ。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
彼等が自分の跡を
跟
(
つ
)
けて来ないと云ふ事は彼には一層無気味な事であつた。彼等はいやに余裕
綽々
(
しやく/\
)
としてゐる。そして凡てを見抜いてゐるらしい。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
今
(
いま
)
までは、
春雨
(
はるさめ
)
に、
春雨
(
はるさめ
)
にしよぼと
濡
(
ぬ
)
れたもよいものを、
夏
(
なつ
)
はなほと、はら/\はらと
降
(
ふ
)
りかゝるを、
我
(
われ
)
ながらサテ
情知
(
なさけし
)
り
顏
(
がほ
)
の
袖
(
そで
)
にうけて、
綽々
(
しやく/\
)
として
餘裕
(
よゆう
)
ありし
傘
(
からかさ
)
とともに
肩
(
かた
)
をすぼめ
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
嗟吁
(
あゝ
)
人生の短期なる、
昨日
(
きのふ
)
の紅顔
今日
(
けふ
)
の白頭。忙々促々として眼前の事に営々たるもの、
悠々
(
いう/\
)
綽々
(
しやく/\
)
として千載の事を
慮
(
はか
)
るもの、同じく之れ大暮の
同寝
(
どうしん
)
。霜は香菊を
厭
(
いと
)
はず、風は幽蘭を
容
(
ゆる
)
さず。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
綽
漢検1級
部首:⽷
14画
々
3画
“綽々”で始まる語句
綽々然