綴糸つづりいと)” の例文
甲田君が自分が結んだ帳面の綴糸つづりいとや、書斎の電燈を吊ってある太い打紐うちひもや其他三つも四つも結び癖の分るものが出て来ました。
何者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
立込んだ家つづきだから、あっちこち、二階の欄干に、あかい裏がひるがえり、水紅色ときいろを扱った、ほしものはかかっていても、陰がこもって湿っぽい、と云ううちにも、掻巻かいまきの袖には枕が包まれ、布団の綴糸つづりいと
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
医師せんせいくつろいだ身の動作こなしで、掻巻かいまきの上へ足を投げて、綴糸つづりいとを手で引張ひっぱる。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)