紹巴ぜうは)” の例文
むかし連歌師の紹巴ぜうはが松島を見に仙台へ下つた事があつた。仙台のお城では目つかちの政宗公が、夏の日の長いのにれて、独りで肝癪を起してゐるところであつた。
堂のうしろの方に、仏法ぶつぱん々々とこゑちかく聞ゆるに、貴人さかづきをあげ給ひて、れいの鳥絶えて鳴かざりしに、今夜こよひ酒宴しゆえん一一八はえあるぞ。紹巴ぜうは一一九いかにとおほせ給ふ。
貴人又のたまはく、絶えて八六紹巴ぜうは説話ものがたりを聞かず、召せと、八七の給ふに、呼びつぐやうなりしが、八八我がうずすまりしうしろの方より、八九大いなる法師の、おもて九〇うちひらめきて
人々は一二七木村常陸介きむらひたちのすけ雀部ささべ淡路、白江備後、熊谷くまがへ大膳、粟野杢あはのもく日比野下野ひびの(しもつけ)、山口少雲せううん丸毛不心まるもふしん隆西りうさい入道、山本主殿とのも、山田三十郎、不破ふは万作、かく云ふは紹巴ぜうは一二八法橋ほつけうなり。