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籠堂
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こもりどう
ふりがな文庫
“
籠堂
(
こもりどう
)” の例文
夜半になると、正成はひとりで
籠堂
(
こもりどう
)
へ移って夜をあかした。ほとけと共に明かした朝はそう眠りもしていなかったのに体もあたまも
清々
(
すがすが
)
としていた。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
籠堂
(
こもりどう
)
に寝て、あくる朝目がさめると、
直衣
(
のうし
)
に
烏帽子
(
えぼし
)
を着て
指貫
(
さしぬき
)
をはいた老人が、枕もとに立っていて言った。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大峰山——山上ヶ岳の
籠堂
(
こもりどう
)
で案内人どもが縦走のなかなか苦しいことを語り、むやみに傭ってくれと言う。
単独行
(新字新仮名)
/
加藤文太郎
(著)
白衣に緋を重ねた姿だと思えば、通夜の
籠堂
(
こもりどう
)
に居合せた
女性
(
にょしょう
)
であろう。小紋の小袖に丸帯と思えば、寺には、よき人の嫁ぐならいがある。——あとで思うとそれも
朧
(
おぼろ
)
である。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ちと、物をたずねたいが、あの長谷の観音の
籠堂
(
こもりどう
)
と申すのは、誰が行っても差支えないか」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
わが子を縁から
蹴落
(
けおと
)
し出家入道を
遂
(
と
)
げた
西行法師
(
さいぎょうほうし
)
が、旧愛の妻にめぐり会ったという長谷寺の
籠堂
(
こもりどう
)
。竜之助はともかくもここで夜を明かそうとして、その南の柱の下に来ました。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
蔦王をも、その日、帰してしまい、彼は
籠堂
(
こもりどう
)
でいよいよ孤独を愉しんでいた。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これはこれ、昨夜を
長谷
(
はせ
)
の
籠堂
(
こもりどう
)
で明かしたはずの机竜之助でありました。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
堂
常用漢字
小5
部首:⼟
11画
“籠”で始まる語句
籠
籠手
籠城
籠絡
籠居
籠中
籠抜
籠屋
籠行燈
籠洋燈