テーマ)” の例文
テーマとして、応接にいとまのないほど、次々の事件と波瀾をもっているので、その点、書きよくもあり、書きがいのある気もするのですが、なにしろ広汎な人と時のうごきを
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの黒木の御所の一夜なども、テーマ小説としてすますなら、書かないでもすむことである。けれど現代人心理からは、ああした島暮らしの中での、一夫三妻のような形はいったいどうなのか。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高廉こうれんの妖術やら戴宗の神行法しんこうほうなども平気で駆使するし——つまりここらが、いわゆる大陸古典の大陸小説らしいテーマであって、日本での話ならえん行者ぎょうじゃの伝説でもなければ見られないところである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)