筋書すじがき)” の例文
いつもの例によれば、ここへ誰か遺族が顔色をかえて駈けこんでくるのが筋書すじがきだったが、どうしたものか何時いつまでっても引取人ひきとりにんが現れない。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
にせ首を斬らせて、まことの首をようとはかったもくろみは、かれらにとって筋書すじがきどおりにいったのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日の「御山の御山のおこんさん」遊びの筋書すじがきは、もうまただいぶ長くなっていて、これに子どもでなくては言えぬようなおかしい問答が数多く繰り返される。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
がんりきは、自分が筋書すじがきを書いて役者に踊らすような気取り。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「そうさ、自分のこさえた筋書すじがき通りの死にようをしたのだ」
「ははあ……さてはすでに、内々申し合わせおった筋書すじがきとみゆる。ああ、ぜひもないことだ」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしながら、彼の筋書すじがきどおりに、万事がうまくいくかどうか、それはまだ分らない。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)