筆立ふでたて)” の例文
其の上に易書えきしょを五六冊積上げ、かたえ筆立ふでたてには短かき筮竹ぜいちくを立て、其の前に丸い小さなすゞりを置き、勇齋はぼんやりと机の前に座しましたさまは、名人かは知らないが、少しも山も飾りもない。
しつ真中まんなかに今一つの大いなる画架あり。そのわきに台あり。その上に色々の形をなしたる筆立ふでたてに絵筆を立てあり。筆立のうちには銅器にて腹のふくらみたるもまじれり。絵具入えのぐいれになりおる小さき箪笥たんす
孔雀の羽根の長いのが筆立ふでたてに一本さしてもあつた。
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)