“立附”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たてつけ66.7%
たっつけ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒吉は、黙って、この饒舌おしゃべりな由子の傍を離れると、立附たてつけの悪い楽屋の床板を小さく鳴らしながら、あてもなく顔見世台の方へ歩いて行った。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
いかさまふる建物たてものと思はれて、はしらさびがある。其代り唐紙からかみ立附たてつけが悪い。天井は真黒だ。洋燈許らんぷばかりが当世にひかつてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何よりもまず半蔵は友人を店座敷の方へ通して、ものものしい立附たっつけひもを解かせ、腰のものをとらせた。彼はお民と相談して、香蔵を家に引きとめることにした。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
陣笠じんがさ割羽織に立附たっつけを着用し、帯刀までして、まだ総督を案内したままの服装いでたちも解かずにいる親しい友人を家に迎え入れることは、なんとはなしに半蔵をほほえませた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)