トップ
>
秘帖
>
ひじょう
ふりがな文庫
“
秘帖
(
ひじょう
)” の例文
お綱から一角が奪い、一角の死骸からお十夜がかすめ取った世阿弥の
秘帖
(
ひじょう
)
は、とうとう思うつぼに、自分のふところへ転げこんで納まっている。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、生ける者の不幸とともに、あの
秘帖
(
ひじょう
)
にそそぎこまれてある、甲賀世阿弥の尊い血汐に対して会わせる顔があろうか。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
周馬は斬り仆したが大事な
秘帖
(
ひじょう
)
は見当たらない。弦之丞はまだ右腕の
銃痕
(
じゅうこん
)
がまったく
癒
(
い
)
えていないし、駕のうちには、かよわいお千絵様がいる。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今、水をしめしに行った留守に、世阿弥のそばへおいた大事な
秘帖
(
ひじょう
)
が、わずかな間に
失
(
な
)
くなっていた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その雲の
裡
(
うち
)
には、甲賀世阿弥が、今も血汐の筆をとって、
秘帖
(
ひじょう
)
に精をしぼっているだろう。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
間者牢
(
かんじゃろう
)
の
柵外
(
さくがい
)
に、山番が焼飯の
糧
(
かて
)
をおいてゆくのを取りに出る時と、
渓流
(
けいりゅう
)
へ口をそそぎにゆく時のほかは、
洞窟
(
どうくつ
)
の奥に
陽
(
ひ
)
のめも見ず、精と根を
秘帖
(
ひじょう
)
にそそいで、ここに百四十日あまり
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とうとう
傷負
(
ておい
)
の一角に死にもの狂いに振りほどかれて、絶壁の
岩角
(
いわかど
)
から、大事な
秘帖
(
ひじょう
)
とともに、かれの姿も見失ってしまったので、悲嘆と絶望にくれて、世阿弥の
亡骸
(
なきがら
)
にすがっていた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秘
常用漢字
小6
部首:⽲
10画
帖
漢検準1級
部首:⼱
8画
“秘”で始まる語句
秘
秘密
秘訣
秘蔵
秘奥
秘事
秘伝
秘鑰
秘術
秘法