秋風しゅうふう)” の例文
金殿玉楼きんでんぎょくろうその影を緑波りょくはに流す処春風しゅんぷう柳絮りゅうじょは雪と飛び黄葉こうよう秋風しゅうふう菲々ひひとして舞うさまを想見おもいみればさながら青貝の屏風びょうぶ七宝しっぽうの古陶器を見る如き色彩の眩惑を覚ゆる。
例えばこの句の場合で、「酒屋」とか「うた」とかいう言葉を使えば、句の情趣が現実的の写生になって、句のモチーヴである秋風しゅうふう落寞らくばくの強い詩的感銘が弱って来る。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
蕭条しょうじょうたる秋風しゅうふうに鎗を立てて微笑ほほえむ鹿之助の顔が眼に泛ぶのであります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
かつらは折るる秋風しゅうふうの前
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秋風しゅうふう平井山ひらいやま
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秋風しゅうふう五丈原ごじょうげん
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)