禿頭はげ)” の例文
禿頭はげ親爺おやじがピンピンして頑張っておりましたので……その親父おやじが引いてくれた魚類さかな荷籠めご天秤棒ぼおこを突込んで、母親かかさんが洗濯してくれた袢纏はんてん一枚、草鞋わらじ一足、赤褌あかべこ一本で
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこへ禿頭はげ老爺おやじが来て、そう怠けてはいけないと叱る。若者は仕事にかかる。子供はギターを鳴らして歌うと、叱った老爺が踊り出す。それを鍛冶屋が調子を合わせて槌を打ちながら歌う。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
品川堀を渡って、展望台の方へ行くと、下の畑で鉢巻はちまきをした禿頭はげじいさんが堆肥つくておけかついで、よめか娘か一人の女と若い男と三人して麦蒔むぎまきをして居る。爺さんは桶をろし、鉢巻をとって、目礼もくれいした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
私の口から云うのも何で御座いますが、親父は市場でも相当顔の利いた禿頭はげで御座いましただけに、その頃はまだ警察からめられておりましたフクを平気で自宅うち副食物ごさいにしておりました。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)