“硯石”の読み方と例文
読み方割合
すずりいし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
硯石すずりいしの崖のてっぺんで見つけたから、仕事を休んでとっつかまえましたが、いやはや、これがために一日つぶしてしまった上、命拾いでござんした。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それから入代いりかわり立代り来る頭山翁の訪客を、奈良原翁はジロリジロリと見迎え、見送っていたが、やがて床の間に置いてある大きな硯石すずりいしに注目し、訪客の切れ目に初めて口を開いた。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
長崎渡りの七宝焼しっぽうやき水入みずいれ焼付やきつけの絵模様に遠洋未知の国の不思議を思わせ、赤銅色絵しゃくどういろえ文鎮ぶんちん象嵌細工ぞうがんざいく繊巧せんこうを誇れば、かたわらなる茄子形なすびがた硯石すずりいし紫檀したんふたおもてに刻んだ主人が自作の狂歌
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)