むつまじ)” の例文
さうして、貴下方はお二人とも末長く、です、いつも今夜のやうなこの心を持つて、むつまじく暮して下さい、私はそれが見たいのです!
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
考の別記に、「御歌を奉らせ給ふも老は御乳母の子などにて御むつまじき故としらる」とあるのは、事実は問わずとも、その思考の方嚮ほうこうには間違は無かろうとおもう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
内儀さんと千登世とは今日の日まで姉妹もたゞならぬほどむつまじくして來たし、近所の人達が千登世のところへ持つて來る針仕事を内儀さんは二階まで持つて上つてくれ
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
夫妻はむつまじくて仲が良い。良人を引廻し気味に見える才女の姉女房も、良人を立てるところには立派に立てた。岳神の家としての事務の経営は少しの渋滞もなく夫妻共に呼吸は合っている。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
夫婦仲も決してわるい方ではなく、むしろ並以上のむつまじさであった。