相模湾さがみわん)” の例文
ぐずぐずしていると、かれ等は相模湾さがみわんへ入って、三浦半島を攻撃するかもしれない。そうなったら、横須賀軍港があぶないのだ。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
その夏は、海岸林間学校が相模湾さがみわんの、とある海浜かいひんにひらかれていたので、柿丘夫妻は共にその土地に仮泊かはくして、子供たちの面倒をみていた。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
相模湾さがみわんべりの海岸の中央部に位置する漁師町からの、毎日往復五時間弱を要する通学に——また、そんなぼくが、日々からっぽの貨物列車みたいな
煙突 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
童らはひとしく立ちあがりて沖のかたをうちまもりぬ。げに相模湾さがみわんへだてて、一点二点の火、鬼火おにびかと怪しまるるばかり、明滅し、動揺せり。これまさしく伊豆の山人やまびと、野火を放ちしなり。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その年の春、ひどい海底地震が相模湾さがみわん沖合おきあいに起り、引続いて大海嘯おおつなみが一帯の海岸を襲った。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こうした激しい空中戦が、敵の各編隊を迎え、相模湾さがみわん上でも、東京湾の上空でも行われた。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)