相互あいたがい)” の例文
一身独立して一家独立し、一家独立して一国独立し、一国独立して天下も独立すべし。士農工商、相互あいたがいにその自由独立を妨ぐべからず。
中津留別の書 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
余にしてこれと彼とを分別するの力なきならば余は誰によりて身を処せんや、見よ彼ら余の不遜を責むるものも相互あいたがいに説をことにするにあらずや
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
すなわちそのみちとはなし、今の学校を次第しだいさかんにすることと、上下士族相互あいたがい婚姻こんいんするの風をすすむることと、この二箇条のみ。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
塾中の生徒は長者に対するのみならず相互あいたがいの間にも粗暴無礼はもとより禁ずる所なれども、講堂の廊下その他塾舎の内外往来頻繁ひんぱんの場所にては
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その所論おのおのおもむきを一にせずして、はなはだしきは相互あいたがい背馳はいちするものもあるに似たれども、平安の一義にいたりては相違あいたがうなきを見るべし。
教育の目的 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一体塾生の乱暴と云うものはれまで申した通りであるが、その塾生同士相互あいたがい間柄あいだがらと云うものはいたって仲のいもので、決してあらそいなどをしたことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
いわば学事と俗事と相互あいたがいに分離し、また相互に依頼して、はじめて事の全面に美をいたすべきなり。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私もまた自分で考えて見るに、世の中の形勢は次第に変化して、政治の事も商売の事も日々夜々運動の最中、相互あいたがいに敵味方が出来て議論は次第にかまびすしくなるに違いない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
政治も学問も相互あいたがいにその門を異にして、人事中専門の一課とするときは、各門相互に干渉すべからざるはむろん、おのおの自家の専業を勉めて、相互にかえりみることもなきを要す。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
千緒万端せんしょばんたん、いずれも皆、戦隊外の庶務にして、その大切なるは戦務の大切なるに異ならず、庶務と戦務と相互あいたがいに助けて、はじめて海陸軍の全面を維持するは、あまねく人の知るところならん。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)