目潰めつぶし)” の例文
『ヌ、』とばかりで、下唇したくちびるをぴりゝとんで、おもはず掴懸つかみかゝらうとすると、鷹揚おうやう破法衣やぶれごろもそでひらいて、つばさ目潰めつぶしくろあふつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平次の顏へ、目潰めつぶしに叩きつけて、其場から逃出さうとした者があつたのです。
その時、角燈をぱっと見せると、その手で片手の手袋を取って、目前めさきへ、ずい、とてのひら目潰めつぶしもくわせるかまえ。で、葛木という男は、ハッと一足さがった。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
灰の目潰めつぶしの中に、ひるむガラツ八。平次はその時早くも裏口に廻つて
「それ目潰めつぶし。」とお丹の指揮さしず手空てあきの奴等、一足先に駈出かけいだして、派出所の前にずらりと並び、臆面おくめんもなく一斉に尾籠びろうの振舞、さはせぬ奴は背後うしろより手をたたきて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
正面から飛付いた一人は、半分食ひかけの、晝飯の茶碗を目潰めつぶしに叩き付けられてのけ反りました。續く一人は、額で番茶の土瓶どびんを打ち割り、うしろの一人は、一本背負ひでモンドリ打たせられます。