白日ひる)” の例文
どうみても白日ひるのランプのやうにぼやけてゐる。石の表情よりも、はるかに惨忍である。その上に誕生したのであらう。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
はかない恋の逢瀬おうせに世を忘れて、唯もう慕い慕われて、酔いこがるるより外には何も御存じなく、何も御気の付かないような御様子。私は眼前めのまえ白日ひるの夢を見ました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そを何ぞといふにかの小羊子が白日ひるの夢と題したる華文是なり。逍遙子はその初におのがしかたを説きつ。是を低級の談理界とす。譬へば猶ほ一知半解の禪のごときものならむ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
あまつさへ赤き花ちり小馬く農家の白日ひるになげき入りぬる
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
聖地の門をめぐりながら、よるとなく白日ひるとなく、蜜蜂すがるよ。いつか門は十字に閉され、花々は霜にこゞえた。蜜蜂よ。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
白日ひるともる奥深おくふかさ、遠みかしこみ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はた、青き白日ひるかげに
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こぞつて白日ひる戦闘たゝかひ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
時に白日ひる
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)