男勝おとこまさ)” の例文
デモ母親は男勝おとこまさりの気丈者、貧苦にめげない煮焚にたきわざの片手間に一枚三厘の襯衣シャツけて、身をにして掙了かせぐに追付く貧乏もないか、どうかこうか湯なりかゆなりをすすっ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
いくら男勝おとこまさりの寡婦だと言っても、到底女の手に合わぬ力わざが米作には多かった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すると、子爵家に男勝おとこまさりの乳母がいましてな。
全く眼色めつきのような気象で、勝気で、鋭くて、く何かに気の附く、口も八丁手も八丁という、一口に言えば男勝おとこまさり……まあ、そういったたちの人だったそうな、——私は子供の事で一向夢中だったが。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)