トップ
>
田夫
>
でんぷ
ふりがな文庫
“
田夫
(
でんぷ
)” の例文
勝景は多少のインスピレイシヨンを
何人
(
なんぴと
)
にも与ふる者なり。故に勝景は如何なる
田夫
(
でんぷ
)
野郎をも
詩気
(
しふう
)
を帯びて逍遙する者とならしむるなり。
松島に於て芭蕉翁を読む
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
庄太夫大いに
怡
(
よろこ
)
び、
二八
よくも説かせ給ふものかな。此の事我が家にとりて
二九
千とせの
計
(
はかりごと
)
なりといへども、
香央
(
かさだ
)
は此の国の貴族にて、我は氏なき
三〇
田夫
(
でんぷ
)
なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
すなわち通人粋客に対して、世態に通じない、人情を解しない
野人
(
やじん
)
田夫
(
でんぷ
)
の意である。それより
惹
(
ひ
)
いて、「
鄙
(
ひな
)
びたこと」「垢抜のしていないこと」を意味するようになってきた。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
許褚は、元来、
田夫
(
でんぷ
)
から身を起して間もない人物なので、あまりの晴れがましさに
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田夫
(
でんぷ
)
または 田婦が、馬の脊に 乗せた 青物
札幌の印象
(新字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
田夫
(
でんぷ
)
野人
(
やじん
)
と呼ばれる彼らのうちには、富貴の中にも見られない真情がある。人々は、食物を持って来て玄徳に献げた。またひとりの
老媼
(
おうな
)
は、自分の着物の袖で、玄徳の
泥沓
(
どろぐつ
)
を拭いた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「田野のなかにも、無智な
田夫
(
でんぷ
)
ばかりはいない。真実をわきまえている怖ろしい民もいる。……世はみだれても、やはりかわらぬ
皇国
(
みくに
)
、そこの土に生きる民くさ、
明国
(
みんこく
)
や朝鮮とはちがう」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かつて出会った幾多の達人中にも考え出されないほど、この泥くさい
田夫
(
でんぷ
)
の体の爪の先までが、武術の「道」にかない、そして武蔵も求めてやまない、その道の精神力に光っているのだった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寒村の
田夫
(
でんぷ
)
から身を起し、義旗をひるがえしてからすでに両三年、戦野の
屍
(
しかばね
)
となりつるか、洛陽の府にさまよえるか、と故郷には今なお、わが子の我を待ち給う老母もいる。なんで大志を失おうや。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“田夫”の意味
《名詞》
農夫。農家。農民。
田舎者。田舎くさいこと。または、洗練されていないことに対する謙称。
(出典:Wiktionary)
田
常用漢字
小1
部首:⽥
5画
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
“田夫”で始まる語句
田夫野人