甚五郎じんごろう)” の例文
甚五郎じんごろうの彫ったりゅうは夜な夜な水を吹いたという話だが、狩野かのうのほうにだって、三人や五人、左甚五郎がいねえともかぎらねえんだ。
「この頃はお友達の詩人の藤村ふじむら女史に来て貰って、バロック時代の服飾ふくしょくの研究を始めた」とか「日本のバロック時代の天才彫刻家左甚五郎じんごろう作のねむねこを ...
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
小花ねえさんに梅子さんの甚五郎じんごろうが見せたくつてよ、いいえ文子さんこそ人形のくせに笑つてばかしゐましたといふ後より兼吉も下りて、本当に今日の暑い事ねえと何気なけれど
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
風雨をにらんであれほどの大揉おおもめの中にじっと構えていたというが、その一念でも破壊こわるまい、風の神も大方血眼ちまなこで睨まれては遠慮が出たであろうか、甚五郎じんごろうこのかたの名人じゃ真の棟梁じゃ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)