瓶詰びんづめ)” の例文
「仕方ありませんからそこを出て村の居酒屋へいきなり乗り込んであった位の酒を瓶詰びんづめのもはかり売のも全部片っぱしから検査しました。」
税務署長の冒険 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
戦争が済んでからの半年ばかりは、いろんな凱旋を祝するもよおしがあった。私は父にれられて瓶詰びんづめの酒や、折詰おりづめを貰ってかえることがよくあった。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
ふとん一組とこうりが一つ、瓶詰びんづめの酒の空箱一つに世帯道具は納まった。移ってから月賦屋で買った小さな机だけが、そぐわぬ形で家庭の新しさを語っていた。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
しゃく瓶詰びんづめのトマトソースを一合加えて塩胡椒で味を付けて今の皮を
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
水色の眼鏡は蝦夷錦えぞにしき信玄袋しんげんぶくろより瓶詰びんづめの菓子を取りいだ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
チュウリップ酒でけた瓶詰びんづめです。しかし一体ひばりはどこまでげたでしょう。どこまで逃げて行ったのかしら。自分でんな光のなみおこしておいてあとはどこかへ逃げるとは気取きどってやがる。
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)