ぴょう)” の例文
ぴょうの水は、みな十名の者の汗になってしまった。夜もやがて明け近いのではないかと思われる頃、茂助も大汗を拭いて
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いかん、人間は毎日二升の水を飲むべしだ、顔回がんかいは一ぴょうの飲といったが、あれは三升入りのふくべだ、聖人は」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
がんりきは腰に下げていた一ぴょうを取り出して
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
藤吉郎は、洲股すのまたへさして帰城した。この戦から、彼は初めて、馬印うまじるしを主君からゆるされた。行軍の秋をてらてら耀かがやいてゆく竿頭かんとうの一ぴょうがそれであった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大きなふくべなので、この一ぴょうに水を張って行けば、十人のかつをしのぐには充分足りる。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)