王安石おうあんせき)” の例文
「左様なら」と私は李白の家を出たが、その足で王安石おうあんせきの家を訪ねた。「君は王昭君をどう思うね?」
沙漠の美姫 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼は責任を知る晁錯ちょうそなり、無学なる(比較的に)王安石おうあんせきなり。彼は文化十二年寺社奉行となり、爾来じらい大坂城代じょうだいとなり、京都所司代しょしだいとなり、西丸にしのまる老中となり、遂に天保五年本丸ほんまる老中となる。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
発掘さるるをいとって曹操そうそうは多くの偽塚にせづかを造って置いたなどということは、近頃の考証でそうではないと分明したが、王安石おうあんせきなどさえ偽塚の伝説を信じて詩を作ったりしていたところを見ると
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
王安石おうあんせき一派の急進的な改革論をもつ者と、保守旧法にたてこもる朝臣とが、たえずびょうに争っていたので、徽宗の代には、もうその内面に分裂と自解の、ただならぬ危機をはらんでいたのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)