猟犬かりいぬ)” の例文
旧字:獵犬
ト、いへば猟犬かりいぬ打点頭うちうなずき、「さもありなんさもこそと、某もすいしたり。さらば御身が言葉にまかせて、某が名も名乗るべし。 ...
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いつぞや、小松谷の阿弥陀堂あみだどうで、どこかの猟犬かりいぬに腕をまれた時、あまり血が出て止まらないので、あの方の泊っている宿へ行って医者を
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御殿場のここの駅路うまやじ、一夜寝て午夜ごやふけぬれば、まだ深き戸外とのもの闇に、早や目ざめ猟犬かりいぬが群、きほひ起き鎖曳きわき、おどり立ち啼き立ちくに、朝猟の公達か、あな
そのときにこの小猴も丁度生まれましたが、親猴を猟犬かりいぬに噛み殺されてしまったので、夜も昼も母を慕って啼き叫んでいるのが何分にも可哀そうでしたから、侍女に言いつけて育て上げさせました。
鷲郎は原来猟犬かりいぬにて、かかる路には慣れたれば、「われ東道あんないせん」とて先に立ち、なほ路を急ぎけるほどに、とかくしてある尾上おのえに出でしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
御殿場のここの駅路うまやぢ、一夜寝て午夜ごやふけぬれば、まだ深き戸外とのもの闇に、早や目ざめ猟犬かりいぬが群、きほひ起き鎖曳きわき、をどり立ち啼き立ちくに、朝猟の公達か、あな
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「きのうの夕方、わしの小猿めが、その猟犬かりいぬと争って、尻尾をみつかれ、それにりたか、この辺で隠れこんだまま、とうとう姿を見せなかったが……どこかそこらの木の上にでもいはせまいか」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しりえふりかえりて見れば、真白なる猟犬かりいぬの、われを噛まんと身構みがまえたるに、黄金丸も少し焦燥いらつて
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)